全国学力テストの結果

仮に生徒の学力分布が全国均一だったとしても各都道府県の計47施行の平均には正規分布に従うばらつきがあって当然なので、正規分布集団に留まっている限り問題視したりしゃかりきになったりする必要はあまりない。国内の相対評価など所詮井の中のゼロサムゲームなのだし。(8/31学力の全国的一様性の仮定について追記:県・科目当たり受験者数が平均約2万5千人なので、中心極限定理によると母集団の標準偏差は県別平均値の標準偏差の約√25000 = 150 倍あることになるが、さすがにそれはありえない。)

産経新聞まとめを基にプロットしてみると、国語と数学の成績がほとんど一直線に乗る非常に強い相関を示し、また小学校と中学校の傾向もよく似ていて、単なる偶然や得意不得意の問題ではなく厳然とした地域差が存在することが伺われる。大阪 (*27) は確かに微妙。また、沖縄 (*47) は学年、科目によらず他の自治体の分布から大きく外れたところに位置していてかなりヤバい。

小6


中3

【グラフ内数字(順位にあらず)】1:北海道, 2:青森, 3:岩手, 4:宮城, 5:秋田, 6:山形, 7:福島, 8:茨城, 9:栃木, 10:群馬, 11:埼玉, 12:千葉, 13:東京, 14:神奈川, 15:新潟, 16:富山, 17:石川, 18:福井, 19:山梨, 20:長野, 21:岐阜, 22:静岡, 23:愛知, 24:三重, 25:滋賀, 26:京都, 27:大阪, 28:兵庫, 29:奈良, 30:和歌山, 31:鳥取, 32:島根, 33:岡山, 34:広島, 35:山口, 36:徳島, 37:香川, 38:愛媛, 39:高知, 40:福岡, 41:佐賀, 42:長崎, 43:熊本, 44:大分, 45:宮崎, 46:鹿児島, 47:沖縄


色々な県別データと小6国語成績(他の学年、科目を使ってもどうせほとんど同じ結果に違いない)の相関係数を取ってみると、県庁所在地の緯度:0.44、経度:0.49、大学進学率:0.20、一人当り所得:0.15、生活保護受給者割合:-0.36、離婚率:-0.60、出生率:-0.46。何と離婚率との相関が一番強く次が出生率。金銭的余裕や大学進学率は意外にも緯度経度以下の相関しかない。ま、あらゆる点で個性的な沖縄に引きずられているところがある。実際、沖縄の値を除くといずれの相関係数も0に近づくが、それでも相関が大きいのが離婚率でまだ-0.49もある。統計学の無知を曝けてしまいそうなので、このへんで。もっとちゃんとした考察は教育毒本木走日記など参照されたし。


国立教育政策研究所平成20年度全国学力・学習状況調査 調査結果について
【学力テスト】「このザマは何なんだ」橋下知事が大阪府教委批判

【学力テスト】小学校は秋田1位、中学は福井 大阪ふるわず


ソース
教育調査報告書 (2005)
文科省地方教育費調査 (2004)
厚労省福祉行政報告例 (2005)
内閣府県民経済計算 (2005)
家計消費状況調査